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2025年度 文明動態学研究所 共同研究プロジェクト 前田仁暉

採択課題名

古代都市平城京周辺の森林植生-文献史・環境考古学的観点による研究史の批判的継承と基礎研究

メンバー一覧(氏名、所属)

前田 仁暉岡山大学・文明動態学研究所
鮎川 礼千葉県環境生活部スポーツ・文化局文化振興課
德永 誓子岡山大学・社会文化科学学域

研究の概要

本研究では奈良時代の中心都市、平城京周辺の森林植生に関する既存研究の到達点を明らかにするとともに、その実態について、文献史・環境考古学的観点から新視点の提示を目指す。具体的には以下2点から達成される。

①既存研究の分野横断型レビュー
平城京の森林植生はこれまで主に、林業経済学的な研究視点から古代の文献資料が紐解かれ、都市造営に伴い森林が枯渇したとする歴史像が広く波及してきた。他方、その研究史は膨大で論拠となる文献資料は必ずしも十分に整理・検証されてこなかった。また近年は出土木材や花粉などの出土樹木データの分析事例が増加しており、既存研究の分野横断型レビューにより到達点を把握する。

②文献史学・環境考古学による批判的継承と新たな論拠の拡充
①で整理した既存研究を批判的に継承するとともに、新たな論拠を拡充する。具体的には、森林に関する文献資料の土地制度史的観点からの新解釈と、出土木材の材質分析による木材資源変化の明示化を目指す。