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基盤研究S「王陵級巨大古墳」
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岡山大学大学院文学研究科

担当:清家 章
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コラム

第1回 古墳時代とは

清家章

 古墳時代はおおよそ西暦250年から西暦600年頃までの、前方後円墳という特徴的な墳墓が築かれた時代です。弥生時代と飛鳥時代にはさまれた時代、それが古墳時代です。

 弥生時代は、稲作が韓半島から伝わって、本格的に農耕が始まった時代です。農耕が始まったことにより、人口が増えつつ社会が複雑化していきました。それまでどちらかと言えば平等であった社会に階層が生まれていきました。やがて墳墓の形と大きさで被葬者の地位などの社会的関係が表示されるようになりました。それが古墳時代です。古墳時代には最大で500メートルを超える墳墓(=大仙陵古墳)からマウンドを持たない小さな墳墓まで数多くの、そして多種類の墳墓が造られます。

 その後、飛鳥時代を経て、法律・官位制度・官僚制度・戸籍・都城など本格的国家の制度・機構・施設が整えられ奈良時代を迎えます。

 つまり古墳時代は、日本列島における本格的国家の形成期にあたります。研究者の中には初期国家段階として、古墳時代を国家の原初的段階と評価される方もいます。古墳あるいは古墳時代を研究することは日本列島における国家形成のあり方を研究するということでもあります。

2022年1月20日