2021年度共同研究プロジェクト 今津勝紀
採択課題名
地域社会を支える歴史認識及び地域歴史資料学の基礎的研究
メンバー一覧(氏名、所属)
今津勝紀 | 岡山大学・文明動態学研究所 |
松下正和 | 神戸大学・地域連携推進室 |
天野真志 | 国立歴史民俗博物館・研究部 |
松尾俊彦 | 岡山大学・ヘルスシステム統合科学学域 |
隈元 崇 | 岡山大学・自然科学学域 |
加藤内藏進 | 岡山大学・教育学域 |
岩崎志保 | 岡山大学・埋蔵文化財調査研究センター |
德永誓子 | 岡山大学・社会文化科学学域 |
松岡弘之 | 岡山大学・社会文化科学学域 |
東野将伸 | 岡山大学・社会文化科学学域 |
研究の概要
地域の歴史資料など人間の活動痕跡の保全をはかる史料ネット運動は、一九九五年一月の阪神淡路大震災からはじまって、すでに四半世紀以上が経過した。この間、日本列島の各地で災害が発生し、地域社会は深刻な被害に見舞われ、史料ネット運動は、それに応じて全国に展開していったが、その底流には、地域の歴史と文化を伝えるものの保全と活用を通じて、地域住民を主体に歴史と文化を再認識し、新しい生存と生活の場を作っていこうとする大きなうねりがある。研究者と地域住民が共同して地域歴史資料を発見し、地域においてその歴史的意味を再認識し、その保存と継承をはかることが求められているのだが、そのためには今日的な文化財保存科学の成果を活用した普遍的な方法の開発が不可欠である。本研究では、具体的なフィールドに即して、地域社会を成り立たせる歴史認識とそれを支える地域歴史資料の保存についての基礎的な研究を行う。
研究実施状況
①西日本豪雨による被災史料の安定化作業・陸軍関係個人資料の整理・診療記録等医療アーカイブの整理作業を実施した。
②教育プログラムの開発について、2021年度地域歴史文化大学フォーラム「地域歴史文化の継承と大学教育-神戸大学の取り組みから-」にて岡山大学の事例を報告した。
研究成果
【出版】
今津勝紀「「生命のいとなみ」を問う―リプライにかえて―」(『歴史科学』247、2021.10)、p60-64
松岡弘之「公文書」天野真志・後藤真編『地域歴史文化継承ガイドブック 付・全国資料ネット総覧』文学通信、2022年、60-65頁
今津勝紀「古代の災害」(『地域の古代日本 1 東アジアと日本』角川選書、2022.2)p207-221
松岡弘之「岡山史料ネット」天野真志・後藤真編『地域歴史文化継承ガイドブック付・全国資料ネット総覧』文学通信、2022年、203-206頁
【報告・講演】
今津勝紀「日本古代の疫病と地域社会」(岡山大学文明動態学研究所キックオフ・シンポジウム「パンデミックと文明―感染症と向き合う過去から未来へ―」主催:岡山大学文明動態学研究所、於:岡山大学50周年記念会館)2021.4.14
東野将伸「野﨑武左衛門の経済・政治活動―地域社会と岡山藩への貢献―」、山陽放送学術文化・スポーツ振興財団シンポジウム 近代岡山の偉人伝 殖産に挑んだ人々⑤、2021年4月22日(木)、於:能楽堂ホールtenjin9
今津勝紀「日本史研究と地域史研究のはざま ―生存の「関係・空間」の歴史学―」(第3回 RIDC マンスリー研究セミナー 主催:岡山大学文明動態学研究所、於:ZOOM 2021.7.2
東野将伸「オープニングトーク」、令和3年度企画展池田家文庫絵図展「岡山・大坂と海の道」オープニングトーク、2021年10月30日(土)、於:岡山シティミュージアム
今津勝紀「資料の防災・被災資料の救出-予防から実践へ、岡山史料ネットの経験-」(於:富山県公文書館)2021.11.18
東野将伸「江戸時代の百姓と「お金」との関わり―金融と租税―」、令和3年度くらしき市民講座歴史資料講座、2021年11月27日(土)、於:ライフパーク倉敷
今津勝紀・松岡弘之「コメント」、2021年度地域歴史文化大学フォーラム「地域歴史文化の継承と大学教育-神戸大学の取り組みから-」、人間文化研究機構「歴史文化資
料保全の大学・共同利用機関ネットワーク事業」主催、2021年12月5日、オンライン松岡弘之「コメント 近代日本のハンセン病療養所の場合―災害と「殉職」看護婦―」、2021年度岡山大学文学部プロジェクト研究「レジリエンスの表象と文化」講演会、2022年1月19日、岡山大学
松岡弘之「コメント」、第3回歴史文化資料保全西日本大学協議会、人間文化研究機構「歴史文化資料保全の大学・共同利用機関ネットワーク事業」・神戸大学大学院人文学研究科主催、2022年2月6日、オンライン
【ポスター発表】
岡山史料ネット(文責・松岡)「2021年度の岡山史料ネットについて」第8回全国資料ネット研究交流集会・山陰、2022年2月19-20日、オンライン