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2022年度共同研究プロジェクト 岩淵泰

採択課題名

地域を変える若者の参画-先進事例の基礎分析-

メンバー一覧(氏名、所属)

岩淵 泰岡山大学・地域総合研究センター
石田 聖長崎県立大学・地域創造学部
Christophe PrematStockholm University
前田 芳男東海大学(九州キャンパス)・経営学部観光ビジネス学科
長宗 武司新見公立大学・地域福祉学科
Hsin-I LinTunghai University
浅野 由子日本女子大学・家政学部 児童学科

研究の概要

本研究の目的は、若者の参画が地域で求められている背景とその具体的な参画方法について、日本や世界の先進事例から明らかにすることだ。若者の参画には、主権者教育からまちづくりの現場まで、政治参画と社会参画の双方が含まれている。それらには、主権者教育から地域の実践的変革を意図する参画が含まれており、教育、行政、コミュニティのそれぞれで多様な事例が確認できる。ただし、地域の課題には、若者の参画が叫ばれても、若者が地域政策の意思決定プロセスに十分巻き込まれておらず、まちづくりへの影響も限定されてしまうことだ。

本研究では、(1)岡山県新見市における若者の参画支援、(2)長崎県大村市の主権者教育・票育、(3)海外における若者の参画の状況の分析を柱とし、若者の参画が生み出す地域への影響と課題を抽出する。それらの研究を通じて国際研究の基盤形成を目指す。

研究実施状況

 国内外の若者の参画を分析した。フィールド調査では、新見高校の主権者教育を分析するため、高校生、教員、行政職員、議員へ聞き取り調査を重ねた。岡山県立新見高等学校の主権者教育:陳情活動の内容は、日本計画行政学会の研究発表と岐阜大学の紀要で発表した。

 また、佐世保市の「票育活動」について聞き取り調査を行った。票育は、主権者育成を通じたまちづくりを展開するものであり、大学との連携に特徴がある。先進事例の収集を行った。

 研究会では、地域のみなさんと共に4回開催した。第四回研究会は、新見市役所の協力を得て、50人ほどの参加になり、研究内容は新見市のまちづくりにも影響を与えた。

研究成果の概要

研究会を4回開催し論文を公開した。

【研究会】

第1回

7月22日(金)、西川アイプラザで開催。東京、新潟、長崎を含め約15名が参加した。研究発表は、岩淵泰(地域総合研究センター)から「大学生のまちづくり参画:矢掛町江良集落を一例に」、友延栄一(岡山市教育委員会事務局生涯学習部生涯学習課公民館振興室)から「公民館活動の現状と課題:岡山市公民館基本方針を一例に」、出川真也(大正大学 地域創生学部 専任講師)から「参加型地域教育アセスメントの評価指標」について発表が行われた。

第2回

9月7日、熊本大学大学院先端科学研究部准教授・田中尚人先生が、「歴史・文化を活かした景観保全における若者の役割」を発表した。参加者は20名。田中准教授は、景観が市民に与える影響を熊本大学の実践事例、災害の復興、若者の参画、住民自治の三点から分析した。

第3回

10月26日(水)、ナタリー・モンテシノ氏が、岡山商工会議所で、「人口減少社会の地域レジリエンス ~日仏比較:若者が地域に残る条件とは?~」を発表した。大学生、経済界、まちづくり関係者を含めた25名が参加した。

第4回

12月17日(土)、「新見高等学校の実践まちづくり」と題した研究会で、岩淵泰が、「地域を変える主権者教育」として新見高校の取組を紹介した。また、前田芳男・東海大学文理融合学部・学部長・教授は、「地域学習を通じた生徒の変化」の中で、地域総合研究センターが岡山県から受託した岡山県高校パワーアップ事業による生徒の変化を紹介した。

【研究論文】

岩淵泰(2023)「地域を変える若者の参画:岡山県立新見高等学校の主権者教育を一例に」岐阜大学地域志向学研究(2023年3月公開予定)

【研究発表】

岩淵泰「地域を変える若者の参画ー岡山県のまちづくり事例からー」日本計画行政学会第45回全国大会 2022年9月10日