プロジェクト

共同研究プロジェクト 植村玄輝

採択課題名

文献に書かれていないことについて何がいえるのか——哲学史における影響関係の推定に関する事例研究

メンバー一覧(氏名、所属)

植村玄輝岡山大学・社会文化科学学域
仲田公輔岡山大学・社会文化科学学域
井頭昌彦一橋大学・社会学部
稲葉肇明治大学・政治経済学部

研究の概要

歴史に関する研究である以上、哲学史研究もまた過去の因果関係に関する判断を下すことがある。こうした判断のうち、哲学史研究にとりわけ特徴的なのは、ある過去の哲学者の主張や立場が別の哲学者の主張や立場に(どのような)影響関係を与えたのかを推定する場面で行われる判断だろう。当該哲学者の(一次)文献をもっとも主要な証拠として行われるこうした判断は、データの不足、文献そのものの解釈の難しさ、「影響関係」という概念の不明確さといった事情により、自然科学や社会科学の領域で現在広く行われている統計的な因果推論とは異なるかたちをとらざるをえない。こうした事情を踏まえて、本プロジェクトでは、哲学史研究における影響関係の推定がどのように行われているのか、そこでどのような前提が(暗黙的に)働いているのかを、歴史学者とも協同しつつ個別の事例からボトムアップ方式で明確にすることを目指す。

哲学史上もっとも影響力の強い著作のひとつ、カント『純粋理性批判』初版(1781年)