プロジェクト

共同研究プロジェクト 清家章

採択課題名

ストロンチウム同位体分析による古墳時代親族構造の研究-磯間岩陰遺跡を中心に

メンバー一覧(氏名、所属)

清家章岡山大学・社会文化科学学域
米田穣東京大学・総合研究博物館
安達登山梨大学・医学域基礎医学系(法医学)
神澤秀明国立科学博物館・人類研究部
今津勝紀岡山大学・文明動態学研究所

研究の概要

 本研究の目的は、古墳時代集団墓である和歌山県磯間岩陰遺跡の出土人骨群について、ストロンチウム同位体分析を行うことにより、被葬者の出自を明らかにしつつ、そこから古墳時代の通婚圏と親族構造を解明することである。
 磯間岩陰遺跡出土の人骨群については考古学的分析・形態学的分析・炭素14年代分析に加え、すでにDNA分析を実施しているところである。そこでは、母系的血縁関係を持つグループが抽出される一方、そのグループとはまったく異なるハプロタイプを持つ個体が存在することが判明している。しかし、異なるハプロタイプを持つ個体間の中には、核DNAの比較分析から血縁者であるとされるペアが存在することも明らかになっている。つまり少数派のハプロタイプ=婚入者であるという単純な図式は当てはまらないことを示している。
 より正確な親族関係の復元を行うため、本研究ではストロンチウム同位体分析を導入する。同分析によって、人骨の出自あるいは出身地域を問うて通婚圏を明らかにする。既往の分析と本研究を組み合わせることにより、磯間岩陰遺跡集団の成立のあり方、被葬者間の親族関係とそこから導き出される婚後居住規定が明らかにできる。さらに他の遺跡で進められているDNA分析結果と比較することにより、古墳時代における埋葬原理と親族構造の基礎的イメージを構築する。

和歌山県磯間岩陰遺跡第5号石室出土人骨