第10回 RIDCマンスリー研究セミナーを開催します
第10回 RIDCマンスリー研究セミナー
エルゼ・フォークトレンダーの心情論
【スピーカー】 植村玄輝 岡山大学 社会文化科学学域 准教授
【日時】 2022年3月16日(水)12:00-13:00
【開催方法】 オンライン(ご参加いただくにはZoomのご利用が必要になります)
【概要】20世紀初頭のミュンヘンとゲッティンゲンに形成された初期の現象学派については、現象学の専門家のなかでさえもそれほど多くの知見が共有されているわけではない。こうした事情にはいくつかの理由が考えられるのだが、そのひとつは、初期の現象学者たちが緊密なサークルを形成した結果、そこで行われた議論が部外者には近づきにくくなってしまっているからだろう。本発表では、こうした問題に哲学史研究者がどのように取り組んでいるのか、そしてどう取り組むべきなのかを、エルゼ・フォークトレンダー(Else Voigtländer, 1882–1946)に関する発表者の研究成果を題材として紹介する。フォークトレンダーは初期現象学のなかでもとりわけ無名の存在だが、彼女の1933年の論考「心情の心理学についての所見」は、ミュンヘン学派における現象学者の思想上の関係を再構成するためのいい手がかりになりうる。本発表ではこうした再構成が具体的にどのような形をとるのかを示した上で、そこで働いている方法論上の前提にも触れたい。これによって、哲学史研究における過去の再構築がどのような営みであるのかがいくらかはっきりするはずである。
〔参考資料〕
https://www.academia.edu/50061040/Between_Love_and_Benevolence_Voigtländer_Pfänder_and_Walther_on_the_Phenomenology_of_Sentiments
【対象】 どなたでもご参加いただけます
【参加費】 無料
【主催】 岡山大学 文明動態学研究所
【申し込み先】 https://forms.gle/HwnHTsMMdHXas5Dh8
(申し込み締め切り:3月15日12:00)
【問い合わせ先】 岡山大学 文明動態学研究所 ridc@okayama-u.ac.jp