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ガザにおける人道危機に関する声明

 

現代社会が抱える様々な問題を人類の文明の消長という大きな枠組みのなかでみつめ直し、持続可能な社会の構築に貢献することをめざす文明動態学研究所は、ハマスがイスラエルの市民に対して行った軍事攻撃およびイスラエル政府による報復軍事行動が多くの人命を奪い、人々の生活を破壊していることを深く憂慮します。

人類の歴史において、武力による対立は各地で甚大な被害をもたらしてきましたが、私たちはその経験から人権の重要性を認識するに至り、大惨事を回避するための法律や国際的組織を生み出してきました。現在イスラエル、ガザで起きていることは、こうした国際的秩序に反するものであり、人道的に許されません。すべての当事者が国際法を遵守してすべての軍事行動を直ちに停止してこれ以上の惨禍を防ぐこと、国際社会がそれを強力にサポートすることを要請します。

人命の重要性と基本的人権の遵守という原則が、何よりも優先されなければなりません。国籍、ジェンダー、民族、その他の個人的特性に関係なく、人々の安全が平等に保護されること、地域コミュニティの維持に必要な施設が破壊されないことが重要です。

同時に、社会・文化の存続と幸福にとって重要であり、基本的人権のかけがえのない構成要素である文化遺産の保護も重要です。文化遺産はそこに住む人々の生活の蓄積であり、アイデンティティの基盤になるものです。それを守ることは人々の暮らしを過去から未来へつなぎ、他者との共存を認めることにつながります。考古学的・文化的遺産を標的とした軍事行動は、国際条約に違反しています。暮らしと文化遺産がともに破壊されることなく守られることを強く望みます。

令和5年12月4日
岡山大学文明動態学研究所
所長 松本直子