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グアテマラ・デルバジェ大学との学術・教育交流活動実施報告

2022年9月、文明動態学研究所では、グアテマラのデルバジェ大学(Universidad del Valle de Guatemala:UVG)考古学・人類学研究センターとの間に協力交流協定を締結したことを記念し、6日間にわたる学術・教育交流活動を実施しました。参加したのは松本直子所長、中谷文美副所長、鈴木真太郎文明基礎科学研究コア長、今津勝紀社会動態学研究コア長に加え、大学院社会文化科学研究科及び文学部で考古学を専攻する学生3名です。

研究所からの訪問団は、デルバジェ大学においてRoberto Moreno(ロベルト・モレノ)学長に表敬訪問を行い、公式の昼食会やグアテマラ独立記念日式典に参加したほか、今津コア長による講演「災害と人の生活」(Disasters and human life: Distinctive roles of history and culture)及び被災した史料の初動レスキューの方法を教授するワークショップ、松本所長による講演「〈出ユーラシア〉プロジェクトから見た古代マヤと日本」(Ancient Maya and Japan in the scope of “Out of Eurasia” Project)、中谷副所長による講演「インドネシアの伝統染織の表象と遺産化のポリティクス」(Politics of Representation and Heritagization of Indonesian Traditional Textiles)及び伝統染織とアイデンティティに関するシンポジウム、鈴木真太郎コア長による講演「岡山大学で学ぶ」、そして岡山大学とデルバジェ大学の学生間交流などを実施しました。

これらの公式行事以外にも、協定のUVG側連絡担当者である考古学・人類学研究センター長トマス・バリエントス教授とともに、グアテマラシティ内外のマヤ遺跡や考古遺物、マヤ系先住民の民族衣装などを収集・展示した博物館を見学する機会を得、考古学を中心に多彩な分野・視点による意見交換を実施することができました。今回の交流が、今後の新たな共同研究プロジェクトに発展することが期待されます。

グアテマラ市内のカミナルフユ遺跡公園にて(9月18日)。首都直下に広がる遺跡の保存研究、
グアテマラの埋蔵文化財研究の実態について、意見交換を行うことができました。
 
デルバジェ大学モレノ学長と松本研究所長(9月19日) Photo: cortesía UVG
デルバジェ大学主催昼食会の参加者とともに(9月19日)Photo: cortesía UVG
昼食会には在グアテマラ日本大使館から松本参事官、国際協力機構(JICA)グアテマラ事務所から山口所長にもご出席をいただき、さまざまな意見交換を行うことができました。
パメラ・ペニントン研究機構長によるキャンパス・ツアー後の説明(9月19日)
Photo: cortesía UVG
今津コア長による史料レスキュー・ワークショップ(9月19日)。
デルバジェ大学や近郊のフランシスコ・マロキン大学などから、特に多くの図書館関係者の出席がありました。
アティトラン湖を望むサン・アンドレス・セメタバフ遺跡にて(9月20日)。
今回の訪問ではサンバルトロ・シュルトゥン広域考古学プロジェクト共同調査団長のボリス・ベルトラン氏(左端)など多くのグアテマラ人研究者の協力を得ました。
松本所長による講演(9月21日)。講演は在グアテマラ日本大使館を通じてオンライン配信され、現地の学生や考古学者を中心に多くの参加を得ました。
中谷副所長による講演後のシンポジウム(9月21日)。文化人類学を専攻する多くの現地の学生や研究者が参加し、活発な議論が交わされました。
大学院社会文化科学研究科博士課程前期1年生の岩本紗采さん、文学部3年生の酒井教子さん、小田智典さんによる学生向けプレゼンテーション。この後、日本とグアテマラにおける考古学教育の相似や相違、考古学を学ぶ楽しさについて現地の学生たちと意見交換が行われました(9月22日)
カンクエン考古学プロジェクトの発掘ラボにて。岩本さんによる現地調査の様子
交流プログラムの企画立案・コーディネートはバリエントスセンター長(中央)と鈴木コア長(右端)が綿密な打ち合わせの上で行いました。
グアテマラ、デルバジェ大学のイノベーション&テクノロジーセンター。
グアテマラ国内でも有数の設備を備える総合大学で、今後岡山大学との考古学、人類学分野を超える多岐にわたる研究、学生の交流、協力が期待されています。