共同研究プロジェクト 伊藤駿
採択課題名
国吉康雄の文化的アイデンティティーを背景とした社会課題への態度を
国吉康雄作品の画風の変遷から明らかにする
メンバー一覧(氏名、所属)
伊藤 駿 | 岡山大学・国吉康雄研究講座 |
才士 真司 | 岡山大学・国吉康雄研究講座 |
赤木 里香子 | 岡山大学・教育学域教授 |
山村 みどり | ニューヨーク市立大学キングスバロー校 |
西郷 南海子 | 独立行政法人日本学術振興会 |
奥村 一郎 | 和歌山県立近代美術館学芸課 |
山路 弘 | ヤマト運輸株式会社 美術品ロジスティクスチーム |
天野 静子 | (一社)日米振興協会 |
研究の概要
本研究ではまず、岡山出身で20世紀前半のアメリカで活躍した洋画家であり、美術教育者であった国吉康雄(1889-1953)の作品制作とその画風の変遷における、明治期の岡山で受けたわが国の、近代化を前提とした国家目標のもとで成立した美術教育や、その少年期の芸術体験の影響を、アメリカで進む国吉研究と近代美術への評価の更新との比較により明らかにする。
この課題の調査に続いて、国吉の、全米初の芸術家のための全国組織を強力なリーダーシップで率いた社会活動家としての一面についても掘り下げ、近代の日本において16歳の国吉が単身、労働移民として渡米せざるを得なかった事情と、アメリカでアジア系移民のマイノリティーとして対峙した社会課題への選択と対応をも検証することで、国吉作品が得た「社会へのメッセージ性」を読み解き、現代社会課題の歴史的背景と継続性の理解に使用することを目的とする。