共同研究プロジェクト 山口雄治
採択課題名
紀元前4~3千年紀中央アナトリアにおける気候変動とレジリエンス
メンバー一覧(氏名、所属)
山口 雄治 | 岡山大学・文明動態学研究所 |
紺谷 亮一 | ノートルダム清心女子大学・文学部 |
フィクリ・クラックオウル | アンカラ大学・言語歴史地理学部 |
チェティン・シェンクル | スレイマン・デミレル大学地理学部 |
研究の概要
気候変動と文化・文明の盛衰との関連には古くから議論がある。本研究が対象とする西アジア地域では、例えば8.2kaイベントと農耕の開始・拡散、4.2kaイベントと都市社会の崩壊などがある。その一方で、古環境データの不足や曖昧さもあって多くの反論も提出されてきた。しかし、近年では時間目盛りの精密化、分析技術の発展、分析対象の多様化を背景として、この問題に対する再検証の動きが世界規模で活発化している。こうした動向の中、気候変動は文化・文明に負の影響のみを与えた訳ではなく、その後の発展を生み出す正の影響も持っていたとする見解も出されており、気候変動の歴史的役割や社会のレジリエンスのあり方に注目が集まっている。 本研究では、中央アナトリアを対象として、考古学と古生態学の協業から、前4~3千年紀における気候変動の実態と考古資料との整合性および社会のレジリエンスについて考察することを目的とする。具体的には、①キュルテペ遺跡の発掘調査、②年代測定、③キュルテペ遺跡周辺湖沼から採取されたボーリングコアの分析を行う。