共同研究プロジェクト ライアン・ジョセフ
採択課題名
古代吉備における製鉄原料産地の実態解明に向けた考古学・文献史学・地球科学的共同研究
メンバー一覧(氏名、所属)
ライアン・ジョセフ | 岡山大学・文明動態学研究所 |
今津 勝紀 | 岡山大学・文明動態学研究所 |
木村 理 | 岡山大学・文明動態学研究所 |
鈴木 茂之 | 岡山大学・自然科学研究科 |
中村 大輔 | 岡山大学・自然科学研究科 |
中村 栄三 | 岡山大学・自然生命科学支援センター |
池端 慶 | 筑波大学・生命環境系 |
長原 正人 | 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構、資源探査部 |
吉江 雄太 | 奥会津地熱株式会社生産部技術係 |
上栫 武 | 岡山県教育庁文化財課 |
武智 泰史 | 倉敷市立自然史博物館 |
研究の概要
古代吉備は、「鉄大国」と評価されるほど製鉄が盛んに行われていた。鉄の生産と流通は、吉備の中の集団間関係、そして古代国家との政治的関係を左右していたと考えられる。従って、吉備の社会・経済・政治史を正しく理解するため、鉄生産の実態解明は必要不可欠である。ただし、伝統的な考古学や文献史学の研究では、従来の認識を超え、研究を深化させることは困難であると言わざるを得ない。とくに、製鉄原料がどこから入手されたか、そして生産された鉄素材がどこに供給されたかは未だに不明であり、実態把握を困難にしている。そこで、本研究プロジェクトの目的は、製鉄遺跡出土の鉄鉱石や鉄滓と、露頭産出の鉄鉱石を鉱床学的・地球科学的手法により比較し、その関係性を検証するとともに、その成果を考古学的・文献史学的に評価し、古代吉備の動態を明らかにする。このように、研究現状の打破を可能とする文理融合の学際的研究を通じ、新しい「鉄学」の創出を目指す。